その年、ミッドガル全域で奇病が流行った。神経系以外の各組織にダメージを与え、多臓器不全を経て死に至らしめる原因不明の病。
 この地を発祥とし、今尚最も多くの人口がこの地域に暮らす、一般にルーネと呼ばれる種族はこの問題の渦中にいた。決して数が多くない彼らにとって、それは種の存続問題であった。

 そんな折、ルーネの里唯一の診療所を経営する若き女医、綾羽 月耶は、診療所で手一杯の所長、父に代わり原因究明のため首都プロンテラを目指す。
 同じ頃、里の行政を担う神弓家の長男、神弓 律もまた、父京明の遺言を受け、この件を調査する事になる。

 幸か不幸か、彼らはその原因を知る事になる。目的である奇病騒動の終始ともう一つ、闇に葬られたはずの、1000年前の隠事―――それは祖、式幻帝、月薙伽耶命のたった一つの願い。

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